ドイツローカルクラブでの2シーズンを、体験記として公開しています。ドイツ社会人サッカーの「リアル」をお伝えできれば幸いです。
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入替戦を終えた次の週の6月20日、クラブハウスのレストランで、シーズンクロージングパーティがありました。
オープニングパーティと違うのは、退団選手を送り出すこと。
3名の選手の退団が、発表されました。
ずっと怪我でプレーしていなかったトビーは、上のリーグに所属するクラブのテストに合格して移籍、スタメンFWのマックスは、同じリーグの別のクラブへ移籍。
控えキーパーのアンディは、他の地域へ引越しとのことでした。
悲しいムードではなく、残留を決めたポジティブな雰囲気が続いている感じでした。
そのため、結局は飲む、歌う、踊るのいつも通りのドンチャン騒ぎが始まりました。
突然、チームのミュージック担当が
「ナック!日本人だからこの曲を知ってるでしょ!」と言いました。
聞こえてきたのは、カンナムスタイル。
(日本と韓国は、同じくくりなんだろう)
私がビールを置き、キレキレのダンスを披露すると、レストランは大歓声に包まれました。
次々に、チームメイトが乾杯やハイタッチを求めて私のもとにやってきます。
まさに、スーパースター状態。
これには、理由がありました。
半年以上前の10月に行われた、初めての展示会。
ディナーは、お客様全員との会食パーティでした。
食事の後は、プロのDJがやってきて音楽をかけて踊ります。
このパーティは、毎回の展示会恒例だったようで、初参加の私はステージに上げられ、カンナムスタイルを即興で踊らされました。
何とか、勢いで会場を盛り上げたものの、次回同じクオリティではまずいと感じました。
次回の展示会は、5月。
私は、4月のイースターホリデーの3日間を、カンナムスタイルのダンス練習に費やし、完璧なクオリティに仕上げました。
もちろん、昼間のプレゼンテーションが最も大切ですが、夜を含めて展示会の価値を上げることが、売上増に繫がると考えたからです。
展示会で、初めてのプレゼンテーションを終えた夜、予想通りカンナムスタイルのイントロが流れました。
私は、22ヶ国100名のお客様の前で、磨き上げた完璧なダンスを披露し、会場は興奮の坩堝と化しました。
今まで経験したことのない興奮状態に、音楽とダンスの力の大きさを感じました。
この成功体験から1ヶ月後に偶然、チームのレストランで、同じ曲がかかったというわけです。
また1つチームメイトとの絆を深め、ドイツでの初めてのシーズンを終えました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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