ドイツ社会人サッカー体験記

ドイツで学んだ、サッカーにも仕事にも役立つ「空席理論」が凄い!

ドイツ社会人サッカー体験記

ドイツローカルクラブでの2シーズンを、体験記として公開しています。ドイツ社会人サッカーの「リアル」をお伝えできれば幸いです。

ライタープロフィール

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この記事は、

ドイツローカルサッカークラブで2年プレーし

勤めている会社のヨーロッパ本社で2年働いた私が

「組織の中で結果を出す秘策」についてまとめたものです。

1冊の本が教えてくれたこの理論は、何の武器もなく、28歳でヨーロッパに飛び込んだ私を大いに助けてくれました。

ビジネスはもちろん、サッカーにも役立つ「秘策」を、実体験を交えてご紹介します。

(ビジネス中心の内容です。)

 

ドイツへ出発する直前に出会った、運命の1冊とは?

 

2014年4月に星野明宏先生の、「凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。」という本に出会いました。

凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。

私に「凡人がエリートに勝つための、空席理論」を教えてくれた本です。

(注意:星野先生は、空席理論とは表現されていません)

立命館大学ラグビー部で、スクラムハーフの13番手からスタートしながらレギュラーを掴んだ、自称凡人の星野先生。

電通マンや、高校ラグビー部の監督として実践された、エリートとの戦い方が記されています。

私はヨーロッパ本社に異動する、つまり(日本勤務時代以上に)何のスキルもない「凡人中の凡人」になる直前に、人生のバイブルを見つけたのでした。

 

エリートとは、違う道を選ぶ

 

ここからは、星野先生の著書の内容(斜体で表記)を、私の体験談を交えて紹介します。

(著書の内容が含まれますので、ご注意下さい。)

異動先のヨーロッパ本社のメンバーは、多国籍の17名。

私の担当業務は、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域で販売するアパレル商品の企画でした。

入社から5年間、国内の地方営業所で営業をしていた私。

英語も話せなければ、アパレルの知識もありません。

まさに、何のスキルもない「凡人中の凡人」。

そんな私に、最初の試練が訪れます。

異動から3ヶ月後、私にとって初めての展示会。

EMEA地域25ヶ国から来られた100名のお客様の前で、同僚で年下のドイツ人がステージに上がりました。

英語力はもとより、論理的思考能力、的確な表現、溢れ出る人間力、、、。

同僚の見事なプレゼンテーションに、度肝を抜かれました。

一方で、ステージに上がる機会もなかった私。

同僚とのあまりの実力差を目の当たりにして、心が折れそうでした。

ー一般的な「成功者像」や「デキる人像」を目指してうまくいくのは、素質や環境に恵まれたエリートだけ。

ーエリートたちと同じことをやっていては一生勝てません。

ー自らの手でエリートとはまったく違った「人物像」をゼロからつくり上げていく必要がある。

同僚は、まさにエリート。

私は、彼らとは違う道を見つけなければ、レベルの高いこのチームには居られないと痛感したのでした。

 

組織の中で、「空席」を探す

 

エリートとは違う道、それを星野先生は「空席」と表現されています。

ーチームメイトが気付いていない、凡人の自分でも勝負できそうな土俵を探す。

ー「誰でもできるけど、やる人が少ないこと」で勝負する。

衝撃の展示会の翌日、私はあらためて、ヨーロッパ本社での空席探しを始めました。

 

空席の探し方 ー特長ー

 

ー「特長」は、絶対値ではありません。あなたの周囲にいる人間たちと比較したときに、相対的に決まる値。

ー立ち位置探しでつまずく原因は、自分の優れている点を活かそうと考えてしまうこと。

ーでも、それはエリートの発想。残念ながら、凡人の優れているところなんてたかが知れています。

ー「自分が所属する組織を客観的に眺め、まだ誰もやってないこと、誰も担っていない役割を探すこと」

星野先生の言葉を参考にして、私が見つけた空席は、、、

ー圧倒的気配り

(外国人社員と比べると、日本で育ってきた時点で明らかに相対的優位性がある)

ー圧倒的長時間労働 (もちろんルールの範囲内で)

(ヨーロッパ人の生産性重視の働き方に対して、古き良き?日本の根性型労働で違いを生み出す)

まずは、この2つに取り組みました。

すると、「間に落ちている仕事を拾いまくる(バレーボールの)リベロキャラ」として、空席を確保できました。

初めは「そんなに忙しいなら、学生インターンを雇って仕事を分担すべきだ」「その仕事は、掃除のおばさんの仕事だ」と言っていた同僚たち。

しかし、毎日繰り返される私の猛烈なレシーブを見て、日に日に私を信頼してくれるようになったのです。

 

空席の探し方 ー方程式ー

 

ヨーロッパ本社での私のミッションは、EMEA地域でのアパレル関連商品の売上を、(ある期間で)2倍にすること。

リベロキャラでは、社内の信頼は掴めても、売上増へのインパクトは期待できません。

売上を上げるには、、、?

ヨーロッパに来るまでの5年間、日本で営業として考え続けたことです。

ヨーロッパ本社17名のうち、営業経験者は私1人。

周りが持っていない「営業経験」に、新たな空席「アタッカーキャラ」の匂いを感じました。

ー方程式にすることで、「常識的な考え」を客観的な視点で眺めることができるようになる。

星野先生は、常識を方程式で表し、その中の言葉を反転させたり、ズラしたりすることで新たな発想が生まれると書かれています。

高校ラグビー部の監督である星野先生は、「練習時間が日本一短いチーム」という方程式を、「練習外の時間が日本一長いチーム」に変換して、様々な工夫を実施、全国大会出場を成し遂げました。

私の業務の場合は、「アパレル関連品の売上を伸ばすには、(バレーボールシャツなどの)アパレル品を強化しなければならない」という常識がありました。

しかし、私にはアパレルに関する知識も経験もありません、、、。

何とか方程式を変換して、空席を見つけられないだろうか、、、。

私は、営業時代に学んだ現場主義を実践し、とにかく、自社の商品が売られている現場に行ってみることにしました。

店頭で自社商品を探すと、並んでいるのはシューズばかり、、、。

(自社のヨーロッパでの売上を比べると、シューズの方がアパレルより大きい)

お店が私に求めているのは、(バレーシャツなどの)アパレル商品の提案なのだろうか、、、?

営業時代に学んだ、「お客様の立場、気持ちになって考える」ことで、ある仮説を思いつきました。

お店は、(バレーシャツなどの)アパレル商品の提案より、シューズにプラスワンで販売できるソックス、サポーター、バッグなどのアクセサリー類の提案を(潜在的に)求めているのではないか?

私は、新たな空席

「アクセサリーマスター」

にチャレンジすることにしました。

会社の先輩に聞くと、アクセサリーはアパレル関連売上に含まれるものの、これまでなかなか重視されてこなかったとのこと。

「アパレル関連商品の売上を伸ばすために、アクセサリーを強化する」という方程式を思い付いたのです。

 

数年後、、、

見事、私は、担当アパレル関連商品の売上を2倍にするというミッションを達成しました。

もちろんこの結果を支えたのは、アクセサリーの爆発的な売上増。

星野先生に感謝です、、、。

 

まとめ

 

ー「空席」を見つけられれば、凡人でもエリートに勝てる。

ー「特長」で考えると空席が見つかる。

ー「方程式」で考えると空席が見つかる。

 

空席理論は、ビジネスだけの話ではありません。

サッカーチームを含む、あらゆる組織で使うことができます。

まずは、「自分の優れている点を活かす」前に、「組織で誰もやっていないこと、誰も担っていない役割を探す」ことから始めましょう!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。

 

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