ドイツローカルクラブでの2シーズンを、体験記として公開しています。ドイツ社会人サッカーの「リアル」をお伝えできれば幸いです。
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7月中旬、1ヶ月のオフが明け、新たなシーズンが始まりました。
日本がお盆休みに入る8月11日、両親が初めてドイツに来てくれました。
1週間の滞在のうち、1日だけ私の所属クラブの練習試合がありました。
6歳から18歳まで、たくさんの試合を見に来てくれていた両親。
私は、10年振りに試合を見てもらうことにしました。
(大学時代は遠方だったため、観戦の機会がありませんでした)
木曜日の夕方、サッカー好きの両親と共にアウェイゲームに向かいました。
残念ながら、私はベンチスタート。
ただ、両親は、私が外国人のチームメイトと英語で話したり、アップをしたりしているのを、楽しそうに見ていました。
素晴らしいグランド、美味しいビール、気持ちの良い夜風、サッカー観戦には最高の環境でした。
後半15分、ようやく私の出番が訪れました。
4-1-4-1の1トップ。
「両親の前でプレーするのは、これが人生で最後になるだろう」と思いました。
練習試合とはいえ、気合が入りました。
幸い、体もキレていました。
トラップもドリブルも、思い通り。
誰も止められないほどのパフォーマンスでした。
残り5分。
左サイドを突破した俊足ウイングのコンスティンがグランダーのクロス。
マークを振り切った私が、左足インサイドでゴールに流し込みました。
こんなに幸せなゴールは、経験したことがありません。
生まれて初めて「少し親孝行ができたな」と感じました。
試合を終えると、両親は興奮した様子で、拍手をしながら迎えてくれました。
高校3年生だった11年前の私の姿とは、何もかもが違ったことでしょう。
家に帰り、3人でお酒を飲みながら、昔話に花を咲かせました。
滞在期間の最終日。
夕方、荷物の整理をしていた両親を、散歩に誘いました。
向かった先は家から歩いて3分のホームグランド。
私と父は、久しぶりに2人でボールを蹴り合いました。
母はベンチに座り、嬉しそうに私たちを見ていました。
ドイツで父と、サッカーをする日が来るとは…。
この上なく幸せな時間で、両親との休暇を終えました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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